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「幸せリーグ」の本が出版されました。
「幸せリーグ」とは、地域住民の幸福や幸福度といった視点を行政運営に生かすことを目的とした基礎自治体の集まりで、釜石を含む全国52の市町村が参加しています(2013年6月時点)。 
本作は加盟市町村による先進的な取り組みをまとめた事例集になっており、釜石市のパートでは釜援隊のことを書きました。ぜひ手に取って読んでみてください。

「現在の日本のように、モノがあふれ、人々の物質的な需要が飽和しつつある時代においては、これまでのような単純な「成長・拡大」という方向や、すべてを時間軸上で考えるような発想は徐々に背景に退いていく。

そして、むしろ、それぞれの地域がもつ固有の特徴や個性、その風土的・文化的特性といったものに人々の関心が向くようになるのである。

いわば時間軸に対して空間軸、つまり各地域の固有の価値や多様性ということが前面に出ることになるのが、人口減少時代あるいは成熟時代の大きな特徴と言えるだろう。

そして、こうした時代の変化を自然に感じ取っているのが特に若い世代であり、既にさまざまなところで述べてきたが、私にとって身近な学生や若者を見ていても、地域や「ローカルなもの」への関心が大きく高まっているのが近年顕著になっている。

(中略)こうした若い世代の志向について、最近の若者は『内向き』になったとか、『外』に出ていく覇気がないといった批判がなされることがあるが、これほど的外れな意見はないと思う。

以上のような若い世代のローカル志向は「地域の幸福」というテーマと深く関わり、むしろ『日本を救っていく』とみるべきであり、それに対する政策的な支援策こそが求められている(p.38-39)」

 

<山形県米沢市>

「「学園都市」を掲げる米沢ですが、山形県内外から集まった学生の多くは、卒業すると地元に戻ったり、米沢市外に出て行ったりして、米沢を離れていきます。しかし、せっかく縁あって、米沢で学生生活を過ごすことになった学生がただ戻ってしまうのはとても惜しいことです。

そこで、注目したのが、彼らが米沢を離れていったときに、米沢の「宣伝部隊」になるのではないかという点です。学生生活を過ごす米沢が、思い出深いまちとしてよりよく思ってもらえれば、彼らが常に米沢の魅力を発信し、友人や家族を連れてまた米沢に訪れてくれるリピーター予備軍になるものと捉えています。そのリピーター予備軍をつくっていくための具体的な施策として実施しているのが、「セカンドホーム事業」です。

この事業は、卒業までの短い学生生活の中でも学生にとって思い出深いまちであるよう、また学生と市民が同じ思い出を共有することで卒業後も続く絆が生まれるよう、市内の一般家庭を学生が訪問し、夕食をご馳走になりながら交流を行うものです。平成二一年に始まり、平成二六年には六回目を迎え、参加者も年々増加しています。

訪問する家庭、市内は市で組み合わせを行い、お互い見ず知らず同士の交流が始まります。家庭も学生もはじめは手探りですがの交流ですが、実際に受け入れていただいた家庭からは、「米沢で暮らし始めての印象を聞くことで、改めて米沢のよさを知ることができた」、「若い世代がより身近に感じられて刺激になった」という感想をいただいています。

また、若い世代からは「米沢に親戚ができたようでうれしかった」、「先生以外の社会人と話す機会が少ないので、いろいろは話を聞けてよかった」といった感想をいただいており、お互いに刺激になり、また、お互いの魅力の発見につながっています。これをきっかけに交流を続けている家庭と学生も出てきています。

交流を通じて、米沢の家庭を実家に次ぐ二番目の家庭=「セカンドホーム」のように感じてもらい、大学だけでは味わえない、充実した思い出深い学生生活を胸に社会に巣立ち、また第二のふるさと米沢に訪れてくれることを期待しています(p.93-94)」

 

<愛知県高浜市>

「地域の「いいところ」(長所・魅力)や「心配なところ」(課題・問題)を一番よく知っているのは、その地域に暮らす市民の皆様です。そこで当市では、市民の皆様からお預かりした税金を、地域でより有効に役立てていただくため、それぞれの地域の特徴を踏まえ、市民目線のアイデアを生かして、地域にとって一番ふさわしい方法で課題を解決したり、地域の魅力を磨いていくことで、住んでよかったと思える高浜市、人もまちも元気があふれる高浜市をみんなで力を合わせて築いていくことができるように、個人市民税の五%を「市民予算枠」とし、市民が地域のために活用できる仕組みを作りました。

「市民予算枠」を活用し、市民の皆様が自主的・主体的に地域の課題解決や地域の魅力の向上に取り組むことで、地域に対する「愛着・誇り」や「地域の総合力」が生まれ、活動を通じて、人と人とのつながりや地域の交流の輪が広がっていきます(p.213-215)」 

「幸せリーグ」とは(荒川区ホームページ)↓
http://www.city.arakawa.tokyo.jp/kusei/topics/shiawaseleague.html